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ターボの加給圧が上がり過ぎないように排気をバイパスさせて調整するためにアクチュエータが付いています。圧力を利用して、排気バイパスバルブを開き、タービンに行く排気ガスの一部を逃がします。ブーストコントローラはアクチュエータに掛かる圧力を制御して排気バイパスバルブの開き方を調節することでブースト圧を制御しています。ノーマルよりも高いブースト圧とするためには、アクチュエータに掛かる圧力を減らしてやれば良いのです。
その他には、アクチュエータの作動圧力を変更することでも、ブースト圧を変える事が出来ます。高い圧力が掛かってから、排気バイパスを開くようにすれば良いのです。同じブースト設定にするとしても、もともとのアクチュエータの作動圧力があまりに低すぎるとコントロールが難しくなるので、ブーストアップの第1歩として強化アクチュエータを取り付けました。
強化アクチュエータ調整用SST
強化アクチュエータは、取り付け時に作動圧力を調整する必要があります。これを行うために、100円均一で入手した空気入れにホースを取り付けます。先を分岐させ、一方をアクチュエータに、もう一方をブースト計に接続します。空気入れで圧力をかけていき、アクチュエータのロッドが動き出す圧力をブースト計で計測するという算段です。
交換する前に、ノーマルのアクチュエータの作動圧を計測しておきました。1.0kg/cm2でした。強化アクチュエータを取り付ける前に作動圧力を計測すると、0.4kg/cm2でした。作動はノーマルよりもスムーズです。
強化アクチュエータはロッドの長さを短く調整し、排気バイパス弁を閉じる方向に引っ張った状態でセットすることで、作動する圧力を調整する構造です。
左:CZ4Aノーマルアクチュエータ、右:BLITZ強化アクチュエータ
上の写真を見ると、ノーマルアクチュエータも先端の方がネジになっているので、長さの調整が少しは出来そうです。バネレートは違うと思いますので、同じ作動圧力にセットしても微妙に特性は違うと思われます。他には、ロッドを少し曲げると短くなったのと同じことになるので、そういう手もあります。
今回、1.2kg/cm2で作動するように調整して取り付けしました。このときの車の仕様は、BLITZのインタークーラーとフロントパイプを取り付けただけのほぼノーマル状態ですが、ノーマルに対して全域でほぼ0.1kg/cm2程度、最大ブーストが上昇しました。下のグラフは各回転数でのピークを記録したデータです。
最大ブースト圧比較 (ノーマル&強化アクチュエータ1.2kg/cm2)
ノーマルのブーストソレノイドと制御による過給圧の制御だと、3000rpmあたりでオーバーシュートが大きくて、オーバーシュートして1.8kg/cm2程度(ノーマルアクチュエータだと1.7kg/cm2程度)までかかり、その後6000rpmから一気にブーストが下がって、7000rpmで1.2kg/cm2程度に落ちてきます。6000rpmから上は、パワーが一定になるように制御されている感じのブースト圧の変化です。そのため、6000rpmから上は回してもトルクがどんどん落ちてきてしまい、伸びが無いために気持ちよくない特性なのです。
この程度のブーストアップでは、ノーマルECUのブーストリミッターは作動しませんでした。ノーマルECUでもまだまだ余裕はありそうです。
[2010.12.5]