Enjoy Sportscar>Lancer Evolution X
スポーツカーといえばまず最初に重要な要素は形だと思います。2ドアで車高も低くなくては。オープンだとなお良いです。そして、走って、運転して楽しいことも非常に大切だと思っているのです。レーシングカーとの違いはそこにあります。絶対的に速い必要は無いと思っているのです。もちろん速いに越したことはありません。
Enjoy Sports Carとしては三菱ランサーエボリューションX(テン=10)、略してランエボXはスポーツカーに入るのか、否か?
そこで、MY10のGSR 5MTを新車で購入しました。RSだと快適装備やブレンボ、レカロなどの豪華装備がなくて100kgほど軽量なのですが、AYCが付かないのでここはGSRにしました。RSだと燃料タンクにバッフルが付いていたりと競技ベースにはとても良いのですが、趣味でサーキットを走るくらいならまあ良いとしました。
MY10で25万円ほど値上がりしているのですが、
ギアが渋いので丁寧に慣らすことと、500kmでエンジンオイル、1000kmでエンジン、ミッション、デフオイルを交換するよう教わりました。
完全に新車なので、慣らしがてら試走コースまで行きます。AYCはちょっと速めの操舵をするとヨーを発生させる方向にトルク移動をしています。
足回りはまだフリクションが大きいのか、高周波の微振動は結構入ってきますが、それほど硬くもありません。ボディの剛性感も巷で言われているほど高いとは感じません。
ステアリングフィーリングはN付近すっきり切り出せるし、操舵力は結構軽いが、保舵ではしっかり舵が決まってとても良い感じです。AYCがかなり効いていると思います。反力はたまに変なところもありますが、油圧なのでそこそこです。
エンジンは慣らし中なので3000rpm縛り&1/3スロットルまでに縛りをかけます。ターボらしく2500rpmあたりから一定アクセル開度でもトルクが盛り上がってきます。2000rpm以下はトルクが薄くて使えません。一定速度でクルーズする程度が限度です。新開発の4B11エンジンはバランサーを廃止したので振動を心配していましたが、4気筒の割りに振動は少ないと思いました。
5MTは20kmも走ると馴染んでスムーズに入るようになってきました。回転を出来るだけ合わせてシンクロに負担を掛けないように慣らしていきます。
ブレーキは慣らし中なのでなんとも言えません。走行後に確認すると、磨耗粉はかなり発生していました。
スポーツカーと言えるか言えないかに大きく影響する操舵に対する車両のヨー応答は、初期が普通の車と同じように若干遅れますが、そこから先の車両の横滑り角が付いてきて良い感じに安定してからは、ステアのとおりにヨーレートが変化します(切り込めばヨーレートは増えるし、保舵すればヨーレートが一定に保たれます)。AYCは積極的に介入して頑張ってくれています。初期の応答遅れはフィードフォワードで消せるので(私が今年秋の自動車技術会講演会で講演します)、是非採用検討して欲しいところです。
ファーストインプレッションの今のところでは、形はスポーツカーとは言えませんが走りはスポーツカーだと言えます。下手なスポーツカーは完全に超えています。総合的に判断して、スポーツカーだと思いました。
慣らし終えて、サーキットに持ち込んでから結論を出したいと思いますが、とりあえず暫定版の結論は次のとおりです。
ランエボXはスポーツカー
[2010.7.16]