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TVR Speed Six エンジン制御

ECU通信コネクタ TVR TuscanのエンジンECUはRS232Cでパソコンと接続し、専用のソフト(TVR ECU DIAGNOSTIC)を使うことで様々なエンジンの情報を得たり、燃料の補正マップのリセットやスロットルポジションのリセットをすることが出来ます。

 このページは専用ソフト「TVR ECU DIAGNOSTIC」の説明です。ソフトには4つの画面があり、Page UpキーとPage Downキーで切り替えることが出来ます。次にそれぞれの画面の説明をします。

画面 1 - メイン画面 (ENGINE MONITOR SCREEN)

 この画面では、エンジンに入力される主な信号と、エンジンへのECUの主な出力を表示します。

ENGINE MONITOR SCREEN

入力系

出力系

画面 2 - ダイアグ (ELECTRICAL FAULT STATUS SCREEN)

 この画面は、ECUが検出しているセンサ入力信号の故障を表示します。現在の故障が上部に表示され、記録された故障が下に表示されます。記録された故障とは、過去に検出されたが現在は検出されていない故障のことです。注意:故障はエンジンキーがON状態なら、センサ線が外れているだけでも記録されます。現在の故障が発生すると故障ランプ(MIL)を点灯します。記録された故障の時は故障ランプは点灯しません。

 記録された故障を見ることは、間欠的な故障を追うときに役立ちます。記録されている故障はECU Toolsメニューを使って消すことが出来ます。

ELECTRICAL FAULT STATUS SCREEN

画面 3 - スロットル調整 (THROTTLE POT SETTING SCREEN)

 この画面では、スロットル 1の値を上部に、スロットル 2の値を下部に大きく表示します。これによって、遠くからでも値を確認することが出来ます(6連スロットルの調整時に便利です)。

THROTTLE POT SETTING SCREEN

 エンジン回転数が900-950rpmでアイドリングしているときに、センサ値は約15%を示すようにします。そうでないときは、ECU Toolsメニューからリセットします。エンジン側で調整はしないようにします。

 スロットルセンサは大変敏感なので、電気的ノイズで+-2%の影響を受けますが、これは正常です。ノイズはスロットルの軸受けの磨耗によって、エンジン振動により軸受けが振動することでも発生します。このノイズが大きすぎると、ECUは加速時増量を行いはじめることがあります。加速時増量が発生する場合(AFR画面のdTHROTTLEを見るとわかります)、ハイテンションコードの状態を確認し、プラグが正しく取り付けられていて、ハイテンションコードがメインエンジンハーネスに共締めされていないことを確認します。

 この故障は古くて走行距離の多い車で起こりやすく、A/F制御が上手く行かなくなると排ガス異常を起こします。

 この異常が発生したら、スロットルセンサを交換し、スロットル軸の磨耗を確認してください。

画面 4 - A/F状態画面 (AFR STATUS SCREEN)

 空燃比フィードバックシステムの働きの詳細を示す画面です。システムが正常作動していることを確かめるために見ます。

AFR STATUS SCREEN

 システムが正常に動作するには、科学的に正常な燃焼による排ガスが触媒に供給されなくてはなりません。これは空燃比が14.7:1に保たれなくてはならないことを意味します。燃焼が濃いか薄いかを判断する排ガス中に入れたラムダセンサによってなされています。

 燃料が濃い場合はラムダセンサは1-1.5Vを示し、薄いときはほぼ0Vを示します。燃料が濃いときは燃料を減らし、薄いときは燃料噴射量を増やすのです。この調整は補正値として記憶されています。すぺてのエンジン回転数と負荷に応じた多くの補正値が作られることになります。これにより、ECUはエンジンの生涯を通して最適な性能を維持するように再調整しています。

 空燃比制御が作動する前に、空燃比センサをウオームアップします。これは、ウオームアップタイマーボックスに表示されています。ウオームアップは約30秒で終了します。

 理論空燃比を保つためにはエンジンの温度が十分高い必要もあります。これは水温で判断します。

 加速時には濃い空燃比が必要となり、これはスロットル開度の変化(dTHROTTLE)の検出によって行います。dTHROTTLEがONのときは空燃比フィードバックは行われません。

 エンジン回転数が素早く変化しているときもフィードバック制御がうまくいかないので、そのようなときは制御を行いません。これは、dSPEEDに表示されます。

 正常にエンジンが回転しているときは空燃比センサの電圧は0Vと1〜1.5Vの間で切り替わります。負荷が小さいときはリーン側(0V)を示していて、瞬間的にリッチ(1V)な状態を示します。負荷が増加するに従ってリッチとリーンほぼ同じ割合になってきます。

 スロットル開度が69%を超えると、性能が最大化されるようにフィードバック制御は中止されます。これは、LAMBDA CONTROLボックスに表示されます。



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