海外旅行はいつも航空会社、ホテル、レンタカーをそれぞれ自分で直接予約しているのだが、今回はJTBのツアーでいくことにした。
関西国際空港から11時間のフライトで、やっとタヒチ島のファアア国際空港に到着する。ついたとたんにスコールが降り出して出迎えてくれる。空港の出国検査は遅々として進まない。タヒチはのんびり時間が流れるのだろう。
やっと荷物を取って出て行くと、JTBが手配した旅行会社(サウスパシフィックツアー)の係員が待っている。今日はモーレア島に移動する予定なのだけど、3時間空港で無駄に待てと言う。まだ旅は始まったばっかりだが、この時点でツアーにしたことを後悔。確かに、JTBから渡された旅行日程表には、モーレア島への移動時間が記入されていない。それにしても、3時間も無意味に待たせるのはありえないと思うのだが。
空港周辺には何も無く、バーでヒナノビールを飲みながら渡された旅行日程を見る。今日から泊まるシェラトン・モーレア・ラグーン・リゾート&スパの部屋を見ると水上コテージと書いてあって、申し込んだホライゾン水上コテージと違うことに気がついた。ホライゾンのほうが景色が良いので、現地旅行会社の担当者に確認を依頼する。担当者によると、JTBからの連絡は普通の水上コテージだというので、日本のJTBに確認をするとのこと。まさかこんなトラブルがあるとは思っていなかったので、メールなどの確認書類を持ってこなかったのがあだになった。やはり、ツアーなんかにしなければ良かった。
部屋のことはあきらめつつ、モーレア島への高速船「アレミティ5」に乗船する。最前列に座って、正面にモーレア島を見ながら進むが、天気が結構悪い感じで山に雲がかかっている。冷房もガンガンに効いていて、上着を預けたことも後悔する。
30分ほどの船のたびが終わってモーレア島に上陸する。船の一番後ろに扉があり、そこから上部甲板に出られることに今頃気がついた。寒い思いを我慢する必要は無かったのだ。帰りは絶対に外に乗ろうと思う。
港には別のツアー会社の送迎が待っていた。サンディーさんというドライバーの人がとても気さくで良い人で、観光スポットで停車して記念撮影させてくれたり、良いビーチや天然ミネラルウオーターをゲットできるスポットを教えてくれた。途中、クック湾からみえる横顔が上を向いている形の山頂は、しっかり目の部分に穴もあいているところが凄い。
宿泊先のシェラトン・モーレア・ラグーン・リゾート&スパでは、ステファニーさんが笑顔で対応してくれた。チェックインしていると、サウスパシフィックツアーの担当者からの電話があり、JTBに確認が取れたのでホライゾン水上コテージに泊まれるように手配しておいたとのこと。なんとか間に合ったのでまあ良かった。旅行しているほうからすると、一つのミスでも気分は悪いものなので、JTBには猛省して欲しい(私はたぶん2度とツアーには参加しないだろう)。
だけど、ホテルは素晴らしく良い雰囲気で、水上コテージに入るとその内装のよさと、それに勝るラグーンの景色で、これまでの気分は一気にどこかへ消えて吹き飛んでしまった。想像していたよりも数倍、いや、数十倍素敵なのである。天気も回復して日が沈もうとする夕焼けの赤い光とエメラルドグリーンの海。そのような言葉で表現できる以上の感動がそこにはあった。
こらえきれずに速攻で水着に着替えて海に入る。水は透明度がものすごく高くて澄み切っている。水深は1.5mほどで程よい深さ、珊瑚もきれいな色をしているし、魚も小さめのが結構いる。水面に浮かんで空を見上げてみる。この自然を大切にしていかなくては!と思う。
夜はメインダイニングに予約を入れる。長い移動時間の疲れを取るために、風呂に浸かって予約時間までのんびりする。
ディナーに行ってみると、日本人は固められて座らされているし、景色ははっきり言って真っ暗で景色は何も見えない。反対のホテル側だと照明があるのでホテルの良い感じを楽しむことが出来るのに。席の間隔もちょっと狭くて窮屈感がある。
しかし、食事はフランス領だけあって美味しい。味付けが濃すぎないのと素材(特に魚)が良い。ワインも飲んでまた気分が良くなった。料理の量が多すぎないところもいい。
食事が終わって部屋に戻ると、急激に疲れがおそってきたので早めに眠ることにする。
が、隣の部屋の若い日本人男性客グループが遅くまで騒いでいる。24時を回ったのでさすがに耐え切れずフロントに電話して対処してもらった。しばらくすると効果があったらしく静寂を取り戻した。
波の音を楽しみながら、眠りに落ちていった。
水に飛び込む音にびっくりして目を覚ます。時間を見ると6:20で、いくらなんでもまだ早すぎるだろうと思う。また、隣の若者たちだ。こんな時間から大きな声で騒いでいるので、今日は部屋を変えてもらおうと決心する。
朝食はアウトリガーつきのカヌーで部屋まで運んできてもらえるというルームサービスを9時に頼んであるので、海のほうから来るものだと思って期待して待っていると、水上コテージの下を通ってやって来た。ビデオを回して録画していると、隣の若者が「すげぇ」とかいいながら泳いで近づいてきて記念撮影などしている。両手のひらを上に向けて「あらまあ」といいたい気分。
テラスのテーブルに食事をセッティングしてもらっている間に、カヌーに乗せてもらってくるりと一回りしながら、記念撮影というサービスもしてくれた。
食事は、フレッシュジュース(パイン、オレンジからチョイス)にシーフード入りのポリネシアスタイルのサラダ、フルーツの盛り合わせ、各種パン、ホットドリンク(コーヒー、紅茶からチョイス)。サラダの野菜も魚も新鮮で美味しい。なによりも、最高の景色を眺めながら食事できることが美味しさを倍増させている。
ゆっくり食事をした後は、現地の伝統を伝えているティキビレッジのディナー&ショーの予約と部屋変更の相談をしにステファニーさんの所へ行く。
ティキビレッジは今晩はお休みだというので明日に予約を入れてもらう。部屋については、隣は今日チェックアウトしていなくなるというので部屋を変えてもらう必要は無くなった。良かった、安心したと伝えて行こうとすると、迷惑をかけたお詫びにワインをルームサービスしてくれるとのこと。午後3時に持ってきてもらうようにお願いした。ついでに部屋にあるはずのシュノーケリングセットが無いのでそれも持ってきてもらうように依頼した。昨日ベルボーイが部屋の説明をしたときに無いのを確認していて、ルームキーピングに電話しろといっていたのだけど、電話番号が載っていないので連絡できていなかったのだ。シュノーケリングセットはビーチサイドで借りることが出来るので今日はそこで借りることにする。
部屋に一旦戻って着替え、シュノーケリングセットを借りに行く。部屋番号を言うと「部屋にシュノーケリングセットがあるはずだ」と受付のおばさんが言う。無いから借りに来てるんだと言っても、なんだか疑っている感じでぶつぶつ言っていて、あきらかに態度が悪い。
なんだかんだありつつ、シュノーケリングセットと足ひれを借りて海へ入る。海中は水の透明度が高く、水深も浅いので光が充分に届いて魚も珊瑚もよく見える。今回の為に買い換えた防水のデジカメ(SANYO Xacti CA65)も綺麗に撮影できて良い感じ。しばらくシュノーケリングした後、カヤックを借りてみる。
カヤックを漕いでいると、意外に水の流れがあることに気がつく。風が結構強いので水面が波立っている。一旦自分の水上コテージに寄って一休みしてから、お腹もすいたのでカヤックを返却する。
昼食はプール&ビーチサイドのカジュアルなバー&グリルで食べる。席に案内されるが、ウエイトレスの態度が悪い。注文したものもきるのが非常に遅い(ほぼ同時に注文したフランス人?にはそれほどかからずに来た)し、持ってくるときも無言で乱暴においていくという有様。かなり気分を害した。
部屋に戻って、風呂に入ることにする。と、まだ2時半だがルームサービスが来てワインなどを持ってきた。とりあえず受け取って風呂に入る。風呂からも海を眺めることが出来るので、とても気持ちが良い。
風呂から上がってワインでも飲むかと思ったら、ワインオープナーが無い。ルームサービスに持ってきてもらうように依頼して待っている間に疲れで眠ってしまい、結局ワインオープナーを受け取ることが出来なかった。30分で持って来るというので、それくらいは待ったのだけど。
寝込んでいるうちに夜になってしまったがなんだか胃もたれもしているし、朝の残りのパンが結構あったので、晩御飯はパンとコーヒーで済ませることにした。
夜空を見上げてみると満天の星空で、それがプラネタリウムみたいに球面のように見える。オーストラリアも綺麗だったが、部屋のテラスからこれほど見えるのはすごいと思った。
部屋の床の一部はガラス張りになっていて、夜は照明をつけることが出来る。照明をつけていると魚が寄ってくる。それを見ているだけでも時間を忘れてしまう。
波の音と鳥の声で目が覚める。水面に朝日が反射して、それが窓のルーバー越しに天井をゆらゆらと炎のように照らしている。朝食は、水上にあるバーでパン3種類とフルーツ盛り合わせ、ジュースとコーヒーのセットを頂く。良い景色を眺めながら海の上で食べられるという点で、テラスで食べるのと似た感覚。
コテージ群の先端にある桟橋まで行って見ると、鳥たちが沢山集まっている。風に乗って空中でホバリングしている鳥も結構間近に見ることが出来る。
水上コテージはラグーンの真ん中辺りなので、テラスから海に入ればすぐにシュノーケリングで魚や珊瑚を観察することが出来る。先ほどの桟橋の下に大き目の魚が集まっていた。
ひとしきり泳ぐと昼になったので、ルームサービスでクラブサンドイッチを注文する。電話にあるルームサービスのボタンを押してもつながらず、チェックインのときにもらった案内書の番号にかけてもつながらない。たまたまミニバーの確認の人が来たので聞いてみると、電話番号が間違っていた。
電話がつながったので注文することが出来、しばらくすると昨日の朝食を運んできてくれた、感じの良い人が運んできてくれた。きちんとテーブルもセットしてくれるし、ルームサービスの価値は普通以上に感じられる。残ったパンは明日の朝食用にちょうど良い量だ。
マンダラ・スパでは、最初に服を全部脱いでパレオだけ巻き、マッサージの部屋へ案内される。最初はうつぶせで足から腰、背中、首から頭までマッサージしていき、仰向けになって顔と頭をマッサージしてもらった。終了後はサウナに入った後、シャワーを浴びる。折角のオイルがもったいないのでシャワーは軽くにしておいた。気持ちよくてあっという間に時間が過ぎてしまった。
ティキ・ビレッジのディナー&ショーを予約しているので、6時にロビーに行く。日本人の団体がロビーを埋め尽くしていたので、一緒に行くのかと思ったらそうでは無いらしく、送迎バスに乗り込んだのはインド系のカップルと私たちだけだった。
バスは、だんだん暗くなり始めたモーレア島の道をガンガン飛ばして走っていく。島の1/4周位なので15kmほどの距離を30分程度走ると目的地に到着する。音楽で出迎えてくれる。受付にホテルで受け取ったバウチャーを提示して、食事と帰りの行き先を示すチケットをもらう。中に入っていこうとすると何の説明も無く「待て」と言われたので、待っていると、英語を話せる人が中に案内してくれた。ポリネシア文化を紹介する小さな建物の間を抜けて結構大きい観客席のある広場に連れて来られて、ウエルカムドリンクを飲む。その後は、観客席に移動してココナツを割るショーや今日振舞われる伝統料理を地中から取り出す実演、フランス語客と英語客にわかれて、小屋を回ってポリネシア文化を説明するという時間になる。ここで、フランス語系の客の多さを実感した。95%がフランス語系だった。残りの英語系はさらに2組にわかれて案内された。なかなか親切に説明してくれた。
それが終わると食事になるが、席は英語系は端っこに固められている。席に案内されたときに、また何の説明も無くドリンクの種類を言うので、とりあえずマイタイなどと答えた。食事はビュッフェ形式なので自分で取りに行っていると、その間にドリンクと伝票らしきものが置いてある。「別料金!」である。隣のアメリカ系?のお客さんも別料金とは思っていなかった様子。観察すると、フランス系には説明が充分なのか、別料金のドリンクを注文している人は少ない。というのも、水とワインは料金にふくまれているからだ。一応現金を持っていたから良かった。食事は伝統料理は見た目よりも薄めの味で、美味しいとまでは行かないがまあまあ食べられる。サラダ類は取りに行ったときにはほとんど残っていなかった。食事中にパレオの色々な着方を小さなステージ上でやっている。合席になったアメリカ系?は団体客っぽくてその話に入っていく雰囲気でもないので、早々に食事を済ませて観客席に移動する。別テーブルの英語系もあまり和めなかったのかさっさと観客席のほうに移動してきていた。
メインイベントのショーは大人数で行われて迫力のあるところもあるが、上手い人のレベルとそうで無い人のレベル差が大きくて、完成度としてはいまひとつ。ファイアーダンスのファイアーが手から飛ばしてしまうというミスは、観客席に飛び込んできたら逃げようが無いと思わせる、別の意味の迫力を感じた。さらに、ショーが長すぎるので見ているだけで疲れてしまう。せめてドリンク類が飲めるとか、途中休憩を挟むとか、一工夫して欲しい。
終わると10時になっていて、そこからホテルに帰ってくると10時半。明日の移動の準備をして寝る。
朝はちょっと早起きして日の出を見る。昨日の夕方から凪状態になり、潮の香りが強くなっている。日が少し高くなると、海面に反射した太陽の無数の光の点がきらめいていて、すごく綺麗にみえる。
送迎バスに乗って港に着くと50分ほど待ち時間があるので、しばらく散策して時を過ごす。乗船開始となり、そのまま上部デッキに直行する。幸い今日は天気も良くて気持ち良い。出航するまではちょっと暑い位だったが、動き出してしまえば風はかなり強くて、ちょうど良いくらいになった。
後ろを見ると、切り立った山々が特徴的なモーレア島がだんだん小さくなる。行く手前方右方向に、沢山のボートがいっせいにタヒチ島方面に向かっている。まるでレースでもしているかのよう。
前方にはタヒチ島がどんどん近づいてくる。遠くからでも建築物が多いのがわかる。空港に着陸する飛行機も、結構多い。また、タヒチ島に近づくにつれて海面に漂うゴミの多さが目に付いてくる。人が多いだけで、これだけ環境に与える影響が大きいのだと実感させられる。
港に着くとサウスパシフィックツアーの担当者が迎えに来ていた。荷物をうけとり、ホテルまで移動する。宿泊先はシェラトン・ホテル・タヒチで、港のあるパペーテの街からはほんの5分程度と近い。
チェックインして客室に案内されると、かび臭いにおいが充満している。すぐに窓を開けて換気する。ベッドもなんだかじっとりと冷たく、風呂場の上の屋根裏へ上がるハッチもきちんと閉まっていない。テーブルは天板の上にガラスがはめてあるタイプだが、そのガラスの下にかなりの埃が溜まっていて汚い。ベランダに植えてある木も枯れていて、根元にはタバコの吸殻がいくつも残っているという有様。シェラトン系列のホテルにはこの3年で6箇所4週間以上滞在しているが、これまでの良いイメージを完全に吹っ飛ばすほどひどい部屋だった。いつもは直接予約を取っていたからか、ツアーは格安料金だからなのかは知らないが、このような部屋を提供するなんて、、。しかも、スーペリア・ラグーン・ビューの部屋を取っているのに、見えるのは港のコンテナで景色なんて楽しめない。
とりあえず換気だけしておいて、食事に行くことにする。ホテルのオープンテラスでパスタとピザを注文する。パスタは1人分で程よい量なのだが、ピザはちょっと多くて、2人で1枚でもよさそうなサイズ。
かび臭さがどうなっているか心配しながら部屋に戻ると、全然かび臭は取れていない。どうもエアコンそのものがかびだらけっぽいが、エアコンを回していなくてもかび臭かったのでどうしようもない。部屋を変えてもらうように交渉しようと思っていたところ、サウスパシフィックツアーの担当者から部屋についての確認電話があったので、かび臭いと伝えた。しばらくすると、いきなりベルボーイが部屋をノックし、「部屋を移る準備は出来たか?」と聞いてくる。こっちはそんな連絡聞いてない、と思うと同時に電話が鳴って、部屋を移ることが告げられた。そそくさと荷物をまとめて移動する。
今度の部屋は良い感じで、花のフレグランスの香りがする。方角もレストランの屋根が邪魔をしてモーレア島は見えないが、海は見える。バスルームも大理石張り。かび臭い部屋に3泊もすると思うと気が滅入っていたので、変えてもらって助かった。
明日は、タヒチ島をドライブしようと思っていたので、アクティビティデスクに行く。しかし、このホテルではレンタカーを借りることは出来ず、借りるならパペーテか空港のレンタカー屋に行けと言われる。部屋にあるホテルディレクトリにはレンタカーデスクがあると書いてあるが、情報が古いらしい。仕方ないので明日パペーテに借りに行くことにする。
ホテル内を散策したり、昼寝したりしているとあっという間に夕方になってしまったので、パペーテへ言って屋台(ルロット)村で夕食を食べることにする。タクシーでバイマショッピングセンター前までいき、そこからちょっと歩く。土曜日の夕方だからか、大通りのそばなのになんだか柄の悪そうな男たちがたむろしていたり、難癖をつけてきそうなおじさんがいたりと、結構怖い雰囲気。無視を決め込んで、ルロットのある広場へ行く。
開店準備をしているルロットを一回りして、店先に出ているメニューを見ていく。中華系がほとんどを占めていて、クレープを売っているところもある。どこに入るか迷っているうちに雨が降り出したので、最初によさそうだと思った店に行くことにする。雨はどんどん本降りになってきて、屋台のひさしの下にテーブルを移動し、狭いところに寄り添って座る状態で食事をした。頼んだ麺入りスープ(=ラーメン)は具沢山でスープが美味しかった。ルロットでも、バゲットが出てくるところがフランス領という感じ?
雨もかなり降っているし、街は怖いということで、食事をした後はさっさとタクシーにのってホテルへ帰った。
結構時間がたってからタヒチアンダンスのショーが始まった。正直言って、ティキビレッジのものより楽しめた。最後の方で、ダンサーの人に連れて行かれて一緒に踊ったので、楽しさが増したということもある。実際にやってみると、かなり激しいダンスだということが実感できた。
ゆっくり起きて、レンタカーを借りるためにパペーテの街へタクシーで向かう。日曜日だからなのか、来るまでに結構待たされる。
日曜日の午前中の街は、店が開いていなくてさびしい限り。食事は一部の店が開いているのみ。正装して教会に行く人が多い。
オーストラリアでも借りたEuropcarの事務所を目指していくと閉まっていて、まさかレンタカーも日曜休みかと落胆しかかったが、もう一軒AVISがあるのでそちらのほうに向かっていくと、門が開いていて、中に人がいた。なんとか借りられそうだ。車は選択の余地無くシトロエンC3となった。夕方返却したかったが、営業は午前中のみということで一日借りることにした。車の傷の点検を念入りにし、走行距離や燃料の残量の確認をする。燃料は満タンではなくて7/8だった。「地図はないか?」ときいたら、無いとのこと。迷うような道も無さそうなのでまあ良い。
午前10時過ぎくらいにレンタカー屋を出発、とりあえず空港方面へ向かう。日曜の街は車も少なくて走りやすい。車は可も無く、不可もなくといった普通のコンパクトカーの印象。エンジンは非力だけど、マニュアルなのでそれほどストレスも感じない。
島を反時計回りにどんどん進んでいく。最初に目指すのはアラフラフのマラエだったが、あっという間に通り過ぎていたらしく、気がついたらその先のマラアの洞窟に到着してしまった。看板が出ていたので駐車場に入って、道を渡って洞窟へ。ちょうどこの反対側の駐車場があるところで、警察がネズミ捕りっぽいことをやっていて、先頭で走ってくる車を止めている。スピード違反に気をつけようと思う。
洞窟は、近くに行くための遊歩道が途中で通行止めにされていて、手前から入り口を見るだけしか出来ない。雰囲気はちょっとした窪み?みたいなもので、カウアイ島のシダの洞窟を思い出した。
海の景色はホテルのある北側よりもちょっといい感じだけど、環礁のあるモーレア島の良さには遠く及ばない。天気が良いのでドライブするには気持ちいいが、あまり景色の変化は無い。
どんどん進んで、ゴーギャン博物館を目指す。が、ここも看板が無くて見過ごした。かなり先に行ってからUターンし、植物園の看板をみると下にゴーギャン博物館と書いてあった。最初の通ったときはそこまで気がつかなかった。どんどん海のほうに進んでいくと、ゴーギャン博物館にたどり着いた。
博物館はかなり寂れた雰囲気を漂わせている。敷地内の奥のほうでは、子供たちが川で遊んでいる状態で、そっちのほうから入ってこれば入場料は要らない?と思わせるオープンぶり。観光客は全部で10人も居なかった。
博物館を出るともう昼過ぎなので、隣にある植物園のスナックに入って食事にする。日曜日の特別料理というのが現地の料理を楽しめそうなので頼んだのだけど、残念ながら無いとのこと。マヒマヒのココナッツソースを頼んだ。
料理がきたら、ハエも匂いに誘われてかなりやってきて五月蝿い。マヒマヒは塩味も効いていてソースともあい、かなり美味しい。が、ハエを追い払うのに一所懸命なせいであまりゆっくり食べた気がしなかった。
さらにタヒチ島の南側を東へすすんで、タヒチ・イティ(小さい島)のほうへ行く。イティ側は道路が一周していないので、まずは南側の道を果てへ向かって進む。イティを南進し始めると、天気が急激に悪化して、強い雨が降り出した。土砂降りといって良い。かなり走り辛いがどんどん進んでいくと、雨足も弱まり、最果てのテアフポオについたときには雨も上がった。ここのビーチでは沢山の子供たちがサーフィンをやっていて、掛け声とともに一斉に波に乗る姿は面白い光景だった。
北進して、今度はイティの北側を東へ向かう。戻るときも豪雨地帯を通ったが、一度通っているので安心感がある。
イティの北側の道は、自然が多くて雰囲気が良い。タヒチ島では一番好きな景色かもしれないと思った。ここの最果ての看板の先には、さらに民家が続いているのでさらに進んでみた。完全に道が無くなるところまで行ってみた。ホテルは島のほぼ反対側で、時間は午後3時近いので戻ることにする。
大きいほうの島(タヒチ・ヌイ)の東側は取り立てて何も無く、北側のほうに入ると滝や潮吹き穴という観光スポットがあるので、そこを目指して走る。が、滝と思われる場所へ行くための道路は入り口で封鎖されていて入れなかった。潮吹き穴は近づくことが出来たが、タイミングが悪かったのかまったく吹いてない状態。
更にパペーテ方面に戻っていくと、ビーナス岬がある。岬の場所につくと大音量で音楽が鳴っている。スナック?がオープンしていて、そこが鳴らしている。岬のシンボルの灯台はあるが、期待していた雰囲気とは違った。
ほかは特に寄るところも無いので、ホテルへ向かって車を走らせると、また雨が降り始めた。今日も夕方は雨なのだろうかと思う。
ホテルに到着して、今晩はどうしようかと考える。レンタカーもあるが、治安の問題もありそうなのでホテルのレストランで夕食をとることにする。今回も日本人は固められていて、しかも狭めの通路の両脇のテーブルというあまり良い席ではないところに案内される。食事をしていると予想通り雨が降り出した。
今日は運転に疲れたので、早めに就寝することにする。タヒチ島内は特に見所は無いと思った。
レンタカーを返すついでにパペーテを観光する。レンタカー屋のそばのシェルで給油する。220kmほど走行して、燃費計は6.8L/100kmを示しているので、15L入れて貰う様に頼んだが、11Lしか入らなかった。自分で走った分だけ計算しても、20km/Lも走っている省燃費ぶり(借りたときに燃料残量が7/8だったので、もっと燃費は良い)。
平日のパペーテ市内は買い物客でかなり盛況で、土曜の夕方の怖さや日曜の閑散さとはまったく違う。あちこちの洋服店などに入っていろいろ物色してみる。よさそうな水着があったので試着してみたがちょっとサイズが大きく、良いサイズにはデザインが無かった。夜はルロットの集まる広場のそばにある観光局でトイレを借りる。入り口は海側にあるので、町のほうから来ると分かりにくい。
店先の商品に釣られて入ったブティックで良い服を見つけたので購入する。折角なのでそのまま着て行く事にした。歩きつかれたので、フレッシュジュースを買う。その場で絞ってくれてとても美味しい。
昼近くになり、バイマショッピングセンターの2階にあるスシ・バーでお寿司を食べることにした。ちゃんとした醤油もあるのだけど、ゴマ風味のソースが美味しい。他の店でも似たソース付の寿司を売っている所があったので、この店の特製では無いようだけどこんなに寿司に合うとは思わなかった。この店は回転寿司なのだけどベルトコンベアではなく、流水に浮かんで流れてくるのが面白い。美味しい寿司を食べられて満足した。
午後はツアーの市内観光があるので一旦ホテルに帰る。街をほとんど一回りして疲れたので、良い休憩になる。
市内観光は他のお客さんがいないので、教会やマルシェを歩いて回るというのでも良いし、車でさっと回っても良いというので、車で案内してもらうことにした。市役所、マルシェ、教会、議事堂、公園などを回った。5時にホテルに送ってもらうということでバイマショッピングセンターのところで降ろしてもらう。
みやげ物を探してみるが、特にこれだというみやげ物は無い。マルシェの2階はみやげ物が豊富だけど、どうも買いたいと思うものが無い。1階のエスカレータ正面にあたりで日本語で声をかけられたので、チョコレートを買うことにする。マカダミアナッツ入りとか、ココナッツ入りとか4種類ある中で一番美味しいものを聞くと、アーモンドクランチ入りのゴーギャンの旅行記「NOA NOA」と書いてあるものがお勧めらしい。それを3箱買い、2番目のお勧めのココナッツ入りの「NOA NOA」を1箱買った。おまけで石鹸を2個つけてくれた。
<※「NOA NOA」チョコはあまり美味しく無かったのでお勧めしない。アーモンドなんて入って無かった。>
かなり歩きつかれたので、ドリンクを買ってブーゲンビル公園で休むことにした。4時過ぎになってくると道路が大渋滞していて、両側を大通りに挟まれているブーゲンビル公園は排気ガスで息苦しい。堪らず移動するが、特に行くところも無いので4時半頃に迎えの待ち合わせ場所に行ってみると、すでに迎えが来ていたのでホテルに送ってもらう。道中、土曜日のエア・タヒチ・ヌイの日本路線のフライトがキャンセルになって、明日のフライトまで待っている人たちが居るということを聞いた。乗客が少なすぎたのでキャンセルにしたとのこと。エア・タヒチ恐るべし。
夕食はまたホテルのレストランで取ることにした。前菜に選んだポリネシア風のアレンジ料理?が美味しかった。メインのダックはちょっと癖があったが、赤ワインと一緒に頂くと良い感じに頂けた。
明日は朝早く出発なので、荷物を詰めて早めに寝ることにする。
お迎えがAM5時に来るので、4時頃起きるように目覚ましをセットしてねた。ツアー会社が3時50分に荷物を取りに来るように手配していたので、その時間にドアをノックする音で叩き起こされた。まだ使いたいものもあるので、「自分で持っていく」と伝えてお断りした。
15分前位にチェックアウトすると、ホテルからアンケートを頼まれた。これまであちこちのシェラトンに泊まったが、こんなことは初めてだった。時間もあるので、いろいろ不都合だったところを書いておいた。
バスに乗り空港へ向かうと、早朝でまだ真っ暗だというのに活動している人が結構居るのに驚いた。
早々に空港について、チェックインカウンターの行列に加わる。いつもは自分のタイミングで行くのでこれほど混雑しないのだけど、ツアーだから仕方が無い。
パスポートコントロールの手前のおみやげ物売り場を物色するが、特に買いたいものは無い。持ってきた水もここから先には持ち込めないので廃棄する。
免税エリアの売店で、クッキーやカレンダー、ポスターを購入した。ビールやワインも買いたかったが、成田経由の際に手荷物の100ml以上の液体は没収になるので、関空までいく場合は残念ながら買うことが出来ない。
飛行機に乗り込むと、フライトがキャンセルされた土曜日の客の分が増えるので、乗客が多いかと思ったら、意外に空席が目立つ状態だった。
今回の旅行は、モーレア島の自然と水上コテージは最高の経験だったが、タヒチ島は3日も滞在する必要が無いと思った。ホテルも、シェラトン・モーレア・ラグーン・リゾート&スパは(一部従業員を除いて)良かったのだけど、シェラトン・ホテル・タヒチはこれまでで宿泊した中でも最低レベルと言わざるを得ない。今度フレンチポリネシアに旅行することがあったら、出来るだけタヒチ島には滞在しないように予定を組む(タヒチ島は特に見所がなく、パペーテの街も汚いし、夜は治安が悪すぎる)。また、日曜日こそリゾートホテルでのんびり過ごすのが良いので、日程を組むときにはその点を考慮したほうが良い。そして、2度とツアー(特にJTB)には参加しないと心に決めた。
フレンチポリネシアでの食事は全体的においしかったです。あえて選ぶなら、ゴーギャン博物館のそばの植物園のスナックでたべたマヒマヒのココナッツクリームが一番美味しく感じました。ハエが五月蠅かったですが。