ポルシェ試乗記
Porsche 911 (997) Carrera S ('11)
991型がよろしくなかった(下にインプレがあります)ので、確認を兼ねて997型の最終型のCarrera Sを試乗。走行距離は14000km強で慣らしも終わってちょうどおいしいところ。
こちら(991と同じく)もフル装備仕様。PASMノーマルは乗り心地もほどほど良くて、操舵応答もマイルド。ちょっと操舵初期の旋回外輪の沈み込みが速い。PASMスポーツにするとゴツゴツ、ヒョコヒョコするが、操舵応答は過敏なほど上がってステアとの一体感は増す。ノーマルモードは全体的に悪くないのだけど、フロントが上下に揺すられてピッチが収まりにくいところがある。スポーツにするとしっかり減衰が出て収まりは良いので、高速でクルージングするならスポーツにしておいたほうが良いかと思う。ソレノイドタイプの減衰力可変ダンパーなので、もっと応答の良さを使って仕上げると良い性能になるはず。
ステアリングはNでトーションバーのねじれを感じる(微小な舵角範囲なので991よりまとも)が、意外に摩擦感は高くない。微小トルクでアシストを掛けていないとこうなる。切り込んで言った時の手ごたえ変化は自然で操舵しやすく、舵も決めやすい。
車両応答は素直で扱いやすく、リアのスタビリティが高い。何より、996で感じる「リアヘビーで、リアの車軸を中心に前を振るように旋回する」というRR感がかなり消えていて、とても乗りやすい。制動時の姿勢もリアが浮き上がることなく、ピタッと路面に吸い付いてしっかり減速Gが出るのも安心感がある。
PDKは14000kmでちょうどおいしいところなのか、最近乗った991のPDKよりも滑らかで上手に制御されていた。ただし、ステアリングのシフトスイッチは、使いにくい。左右とも裏側にシフトダウンスイッチ、表側にシフトアップスイッチがあり、表側のスイッチは小さめで押しにくい。
ボディの大きさ、車内の広さも911という感じで程よい。991型は外から見るとなんだか大きいなと思うし、乗ってみても幅が広いなと思う。
乗って楽しく、以前試乗したときと同じで「欲しい」と思わせる車だった。
2012/10/1
Porsche 911(991) Carrera S ('12)
ニュルで先代のGT3と同じタイム7'40が出るといわれている何でもあり仕様。アクティブスタビもPASMスポーツシャシーも入っている。パワーステアリングプラスも入っている。ODOメーターは7000kmほどの状態。
NがプヨプヨでEPSの制御の難しいところをごまかしている。プヨ幅は車速にかかわらず一定の感じ。舵も決まらないナーバスな動き。旋回制動でもすぐにブレイクしそうな危うさがあり、997の方がいい印象だった。リアタイヤのエア圧が0.4ずつ減っていて、警告が出ていたのも影響大きいと思う。
ステアの操舵力は低速で軽すぎる&操舵角に対して操舵力変化が乏しすぎる。高速はぐっと重くなっていてつながりが悪い。前述のNプヨが最悪。
ダンパーは伸びが固すぎで路面に追従していない(ノーマルモードでも)。⇒大入力では動くので、微低速領域で固すぎるかも(もしくはフリクションで動かないのか)。
音は昔ながら(といっても水冷ポルシェ)の音で変わりない。997のCarrera Sの方が加速力があったと思うがほぼ同じ印象。革内装のにおいも986と同じ。ステアリングホイールの中央ががオフセットしていて変。アイドリングストップからの復帰でエンジンがかなり揺れる。
欲しいと思う車ではなかった。
2012/9/20
同じ車に、リアのエア圧を正しくして再度試乗。
リアの安定感は少し増したが、基本的には同じ傾向で、とてもナーバス。ステアリングも切り込んでいる感じが薄くて、安心して操舵することが出来ない。操舵に対してヨーが非線形に増加してくるので、攻め込んだときに一発で舵角を決めるのが難しい。ゆっくり走っていると、特にスポーツカーという感じも無い。
スポーツプラスにするとゴツゴツが増加してしまい、一般道ではタイヤがうまく使えない。ノーマルモードが一般道では無難。車速が上がっても同じ印象。
トルクベクタリングプラスは60kph程度の直進付近でも結構ブレーキをかけてくるので、左右にステアリングを振ってやるとかなりの減速感がある。ヨーも出ているが、減速感の方が強くてうれしさが低下する。舵の決めにくさはこれのせいかも知れないと思った。
マフラーの切り替えはかなり音が変化する。レスポンスも向上するが、シビアになりすぎているかも。サーキット向けか。
峠を気持ちよく走って爽快感を味わうという車ではなく、サーキットでがんがん攻めまくって緊張感を楽しむような車と思えた。先日の印象と同様に、やはり楽しくない。
ステアリングのNのポヨポヨは車速が上がっても一定幅かと思ったが、車速が上がると幅が広がっているのではないかと感じる。というのも、ポヨポヨの間は車が向きを変えないので、直進しにくいのである。昔は摩擦っぽかったが正確なステアリングだったのに、正確性がかなり劣っている。
フル制動の姿勢が良くないので、ブレーキも安心して踏めない。997よりもリアが浮いてくる感じがある。997は地面に吸い付くような制動時の姿勢をしていて、安心してブレーキをかけることが出来ていた。ブリッピングしてシフトダウンしていく時の変速ショックはうまく制御されている。
PDKはまだまだで、結構ショックが大きいのと、自動モードだといつ変速するのかわかりにくいので、パドルを使って自分でギアを選択したほうが良い。
とにかく、制御が全体的にまとまっていないので、あまり制御が入っていない仕様を選んだほうが良さそう。
400馬力&1415kgの車なら、もう少し加速力があっても良いと思うが、物足りない。エンジンは一応上までふけるが、上のトルクが若干落ちている(極端に低下するわけではないが、、、)のが気持ちよさをスポイルしている様子。
全開で加速していくと200kphオーバーまでの加速は結構速い。不安感もないのは立派。だが、ワインディングで気持ちよくないのはなぜだろう?カーグラで「911の味がある」と言っていたが、全然良さを感じられなかった。まだまだ未完成品だと思った。
どうしても買うなら、素の一番安いやつで良いと思った。これはカーグラの結論と一緒というのも面白い。
2012/9/20
Porsche Cayman S (‘06)
6MT, PASM, スポーツクロノパッケージ, 19インチタイヤ装備。トルク感は若干薄かったけど、ギア比の分だけ加速力は986 Boxster Sよりも上だった。ボディ剛性はさすがに高いように思ったが、逆にリアのスタビリティが低下しているように感じた。PASMノーマルでは、若干よれて横方向にずれる嫌な感覚がでていた。PASMをスポーツにするとこの動きは無くなったし、乗り心地も997 Carrera Sほど堅くなくて程よい感じ。高G旋回では路面変化などの影響を受けやすくてヨー変化が出やすい。簡単に言えばシビアで緊張する乗り味だった。リアのサスセッティングをもう少し柔らかい方向に持っていくといいのかもしれないけど、そうすると、横方向の嫌な動きが出てくるかもしれない。リアのボディ剛性が上がった分をサスが生かしきれていないので、997用のマルチリンクが欲しいところか。操舵感は986 Boxster Sと比べてもそれほど変わっているところは無かった。シフトは前後方向のストロークが短くて、引っかかりなども無くて操作しやすかった。ワイヤーでつながっている感じは残っているが、正確に操作できるので問題ない。
シートは頭の方向が伸びていて、ホールド性も改善されていた。内装の雰囲気はちょっとスポーツカーという感じではないところが好みではないが、まあ悪くもない。Maserati Coupeみたいな色気が欲しいけど、それをPorscheに望むのはまだ無理か。
買うとしたら、100万円安い987 Boxster Sの方が魅力的。今のところ、一番良いのは997 Carrera S。4Sにも乗ってみたい気もする。ブレーキは986Sとあまり変化は無い。後ろからガツンと引っ張られる997の感触が忘れられない。
2006/02/01(水)
Porsche 911 Carrera S ('05)
乗り出して、最初の加速から気分が高揚「軽い!気持ち良い!!」。車重を感じさせない加速感。996 Carrera前期モデル('99)で最悪だった911のイメージはうすれていた。RR特有の重心が後ろにあって気持ち悪い感じもかなり薄れているのと、Boxsterにはかなわないもののヨー応答もかなり良くなっていた。でも、やっぱり位相遅れは気になる(速めの切り返し操作でついてこれない。ぐにゃっとした感じになってしまう)のと、加減速でのフロント荷重変化の大きいところはやはり911。でも、自分の中での許容範囲ギリギリには入ってきた。
PASMをスポーツにして高速に乗ると、足が無茶苦茶堅いのが否応無く伝わってくる。タイヤの縦ばねも堅いが、小入力に対してはほとんど素通ししている感じ。とりあえずPASMをノーマルに戻してみる。当たりがやわらかくなっているが、ヨー応答はそれほど落ちない。高速走るくらいならノーマルモードで十分な印象。それよりも、コーナー進入時のブレーキの利き方に感動を覚える。無茶苦茶効く!ブレーキング時の安定感はBoxsterを完全に上回っている。ペダルのフィーリングはいまいち。踏み込みでぷよっとしているのと、戻すときに張り付く感じがした。限界よりはるか手前のコーナー時の安定感という意味では、911の方がBoxsterよりもどっしりしている分良いと思える。立ち上がり加速はトラクションかかるけど、やはりアンダー傾向。荷重抜けちゃってるから仕方ない。そこはBoxsterの方が自由度が高い。100-200km/hの加速感はそれほどないけど、到達時間は結構短いし車速を感じさせない。安心して飛ばせる。というか、いつのまにか出ているので免許が危ない。
しかし、サーキットで走らせたときのポテンシャルは高そうで、かなり欲しくなってしまった。消費税込み約1250万はバーゲンかも。
#その後、986Sにひさびさに乗ってみた。気持ちよさ、軽さは997Sを上回っていた。やっぱりこっちのほうが性にあうかも。987SのMTに乗ってみたい。986SにはLSDと150PSのエクストラパワーが欲しい。ブレーキパッドを交換してペダルタッチに違和感を感じていたが、997Sの感触に近いと感じた。997Sほどフィーリングは悪く無いけど。
2005/04/23(土)
Porsche Boxster ('05)
Type 987。ティプトロニック仕様。
乗る前の第一印象は排気音が低くて大きくなったところ。フロントマスクは程よく迫力が増していて、速そうな印象。タイヤはF:205/55R17, R:235/50R17で外形がワンサイズ上がっている。幌の開閉速度が速くなっている気もした。走行中の風の巻き込みは旧型とあまり違いは無い。それよりも、ドア上端の高さが高くなっていて穴に入り込んだような圧迫感を感じた。これはToyota MR-Sに近い雰囲気。サイドのエアインテークもMR−Sに似た形状になってしまったのも残念。インパネのデザインは思っていたよりは良かった。ステアリングホイールのデザインは微妙だけど、走行中は見ないのでよし。エアコンのコンプレッサーON/OFFスイッチが見当たらず、送風を完全にカットすることでOFFにした。パワーウインドのスイッチがドアに移設されたのと、幌の開閉スイッチがサイドブレーキのそばに移設されているのは使いやすい。
試乗してみると、加速時にちょっと重たい感じがした。アクセルのレスポンスはTiptronicの影響が大きくてなんともいえない。トルクがドカンと立ち上がるときもあるし、程よいときもある。ステアリングフィールの基本的な部分は旧型からほとんど変化していない。ヨーの出方もほぼいっしょ。操舵力は若干増加していたのと、少し摩擦っぽい感じがあった。ブレーキの感じも昔乗ったときの印象と同じでカシッとしていて、踏んだだけ減速できる。効きも良い。足はそこそこ固められている雰囲気。従来のスポーツシャシー位は行っているような感じがした。
ボディ剛性としては高速の繋ぎ目を「トントン」っと超えていくところでちょっと上がっているかもと感じたのと、駐車場に入るときに歩道に斜めに入って上がっていくときにはよれる感じは減っていると思った(けど、オープンにしていたので実際にどうだったかは不明)。
そこそこ期待していたのだが、買い換えるまでは行かない変化だった。
2005/04/23(土)
Porsche Boxster ('00) @ドイツ
ドイツで試乗(ニュルブルグリンク、アウトバーン)。仕様はスポーツシャシー、ハイパフォーマンスマフラー(純正OP)、スポーツシート。ブレーキのタッチが若干ヤワいが利き自体は問題なし(ヤワいと言ってもBoxster Sと比べての話で、絶対レベルとしては格段に良い)。ハイパフォーマンスマフラーは低速でかなり排気音がうるさくて、篭った感じの音。相当騒がしい。切り替えスイッチがついていて、静かモードにしていてもかなりの音量。パワーモード?にしていると5500辺りからの伸びは良い。高回転まで回すと排気音よりもエンジンの音が目立ってくる。このときの音は3.2Lと大差ない音質。ステアリングフィールはSとは違って、Nからの立ち上がりトルクと車両が応答し始める辺りのトルクのつながりがスムーズ。タイヤの影響も大きいのかもしれない。履いていたタイヤはP-ZERO Rosso。17インチ仕様になっていた。前後方向のシフトストロークが長い気がする。スポーツシートは腰のホールドが良くて、これならフルバケは要らないと感じた。オプション価格は17万位だったような気がする。インパネは2.5L時代よりは良くはなっているのだろうが、表面処理が安っぽい。高速道路でのクルージングでも結構いろいろな音が入ってくる。S2000に近い感じであった。
Boxster Sとの限界挙動の差はほとんどないと言ってよく、多くの雑誌で「Sは重い感じがする」と書かれているのは何かの勘違いが蔓延してしまっているのだろう。それともステアリングフィールとして感じる切り込んだ時の手ごたえの大きさを「重い」と感じているのだろうか。
アウトバーンでは最終的にメータ読み271km/hまで伸びた。高回転のパワーが出ている証拠かもしれない。ハイパフォーマンスマフラーは日本では保安基準を通らないとのこと。あれだけうるさければしかたないか。低回転のこもりが如何ともしがたい。でも、あの伸び感は魅力。正直言って、自分のBoxster Sよりも240km/hからの加速力が上だった。
2004/05/05(水)
Porsche Boxster ('00)
Boxster Sの後で素のBoxsterに乗ってみる。エンジン出力は220ps(-30ps)でトルクは265Nm?程度(-40Nm)で、車重は-35kg。Boxster Sと大して変わらないともいえる。残念ながら試乗車はティプトロニックS(5AT)です。ボクスターのティプトロも996と同じく2速発進です。TOYOTAのATほど滑らないので、アクセル操作に対する加速のレスポンスは私のぎりぎり許容範囲内です。シフトダウンのレスポンスは、996より悪いと感じました。また、2速落とそうと思って、スイッチを素早く2回「カチカチ」っと操作すると、きっちり1速ずつ落としていきます。スポーツカーなんですから、1速飛ばして落として欲しいです。思ったギアを適切に素早く選べなければ、マニュアル操作する必要は無いです。実際、オートマモードで十分楽しく走れます。
エンジンのフィーリングはSより更に軽く、高回転で高音になり音質は好みです。全体的なトルクはさすがにSよりは無いですが、必要十分。ただし、Sよりトルクカーブがフラットで、盛り上がりには欠けます。マフラーのテールエンドは楕円形で中央1本出しになっていて、私はSの円形中央2本出しよりもデザインは好きです。
標準のタイヤは16インチで(Sは17インチ)、コーナーの挙動はSよりマイルドです。普通にちょっと飛ばすぐらいなら、こっちの方がおすすめでしょう。ティプトロSの為にアクセル操作に対してトルクのレスポンスが鈍くなっている点も影響していると思います。
ブレーキがSに比べて小さくなっていますが、ブレーキの能力は十分です。Sや996はソリッドでがしっとした感じですが、そういうフィーリング的な面では若干劣ります。ブレーキのコントロール性はどのポルシェも良いです。ブレーキ踏力は軽いのですが、リニアに効きますし、余分な摩擦もなく部品の精度の高さが実感できます。タイヤの絶対的なグリップ力が低いので、制動力自体はちまたで言われているほどのものはありません。
さすがに絶対的な速さを比較してしまうとSに軍配が上がるのですが、オープンスポーツカーの楽しみとしては、どちらも互角と思いました。5MTで乗ったら尚更そうなると思います。
2000/08/31(木)
Porsche Boxster S('00)
アイドリングのエンジン音は結構静かです。オープンなので、もうちょっと排気音が聞こえるのかと思いましたが、それほどでもないです。さすがに996よりは聞こえてきますが、全く静かと言うしかありません。「最初はクローズドにしますか?」と聞いてくるので、「やっぱオープンでしょう」とオープン状態で出発することにしました。
走り出してすぐに、「996とは全然別物」なのがわかります。車両重量は大して変わらないですが、軽快です。エンジンのレスポンスは市販車としては鋭い方です。車の四隅ははっきり言って見えませんが、FD3Sより、全長・全幅・全高それぞれほんのちょっと大きい位、車両重量はカタロク値で+35kg、パワーは-3ps(私の乗っていた初期型FD3S比)、トルクは+11Nmでほとんど互角です。トルクが分厚く、高回転まで回すと可変バルブタイミング、可変吸気の効果もあって、4500回転ぐらいから気持ちいい音を伴って加速します。クラッチは普通の車と同じでポルシェだからといって特別なことをしなくても大丈夫。低いギアでクラッチをスパッと切ると、大きめの前後ショックが発生します。ちょっとコツが必要かもしれません。アクセル、ブレーキ、クラッチのペダル類は操作力が軽いです。アクセルは電子制御スロットルになっています。パワーステアリングの操作力も重くはありません。大変運転しやすい車に仕立てられています。これは996の方も同じ印象でした。
名古屋高速の環状線を3周ほど走りました。料金所からのフル加速では、さすがにターボの様な爆発的なトルクの立ち上がりはありませんが、それでも結構楽しめる加速をします。太いトルクでぐいぐい押してくる感じです。シフトフィールはワイヤー式のために剛性感は不足していますが、正確にエンゲージされるのとストロークが適切なため、ミスシフトする事はありません。ブリッピングの回転上昇及び回転落ちもスポーツカーらしい適切なものと感じました。とにかく気持ち良いです。ハンドリングも楽しいの一言です。996の100km/h以上で感じるRRの重量配分の悪さも、ミッドシップのボクスターSにはありません。996で気になったステアリング系の摩擦感(高速の安定性を重視したために、摩擦を意図的に高めている様子)は、それほど感じられず、気持ちいいフィールです。名古屋高速環状線なので、コーナーは直角なのが4つしかありませんが、そこもそれなりに攻めて走ってみると、ステア、アクセル操作に対して素直に応答し、とても楽しめます。若干リアの挙動が神経質な感じを受けましたが、スポーツカーですからそれぐらいの方がはっきり言って楽しいです。
風の巻き込みは旧型ユーノスロードスターの100km/h程度(ただしサイドウインドウは閉めていた)です。サイドウインドウを下げて流して走ってみると、若干風の巻き込みは増えますが気持ちいい程度です。MR-Sはほとんど風が入ってきませんから凄いといえば凄いのですが、適度な風はオープンカーには必要だと実感しました。もうちょっと押さえられていても良いと思いましたけど。
エンジン+排気音は低音で、排気量があるって感じですが、オープンスポーツカーのイメージだともうちょっと乾いた軽い感じの音の方が私は気持ちいいです。バリオカム(可変バルブタイミング)が切り替わってくるとトルクは増えてきます。しかし、音の変化は996より控えめで、もうちょっとエンジン音がして欲しいと感じました。低音の排気音に消されてしまいます。
あと、996の「ばしっ」とした剛性感に比べると、若干剛性感は劣りますが、オープンですから仕方ないです。ボディの剛性はそれほど高くないですけど、走っていて剛性感が低いとは感じません。シャシー性能はエンジンに対してとても高く、FD3Sよりもボディの剛性感は高いくらいです。
帰ってきてから、幌の開け閉めをしました。幌前部中央にロックが1カ所あるのでそれをパチンと解除し、センターコンソールのスイッチを押すと、まず幌カバーが後方斜め上部方向にスライドしながら開き、その後、屋根の部分はほぼ水平を保ちながら若干後部を下げつつ後ろに下がっていき、リアウインドウの部分は2つ折れしながら格納され、その後幌カバー部が閉じて終了です。幌を閉じるのは逆の手順になります。12秒かかりますが、優雅な動きです。サイドウインドウがあいた状態でしたので、しまった状態の時にウインドウが自動で連動するかは未確認です。しかし、リアウインドウがガラスでないのは玉に瑕です。ガラスでは2つに折れないので、仕方がないのかもしれないですけど、MR-Sの様に収納されれば良いのにと思います。
スタイリングはフロントはほぼ996、内装もメーターが3連なのを除けば996に似たデザイン、リアはポルシェといえば空力的に不利なカエル尻のイメージですが、フェンダーラインが盛り上がっており特徴を出しています。私はボクスターの方が好きです。フロントトランクは、深いが左右の幅が狭くて容量は130L、リアトランクは、トランスミッション、エキゾーストの空間の上に位置するため、面積があるが非常に浅いもので、容量130Lです。トランクは無いよりあった方がやはりいいです。
2006/12/27(水)
Porsche 911 Carrera('99)
Boxsterの見積もりを貰おうとディーラーに行ったところ、996 Carreraの試乗車があるといわれたので乗ってみることにしました。バイパスを行って帰ってきただけなので、コーナーを攻めたりしていないのでその範囲の試乗記になります。
まず、車が重くて加速感が足りないと言うのが第一印象です。3.4L,300psもあるとは思えないほど鈍重な加速感。ティプトロニックもレスポンスは頑張っているのですが、エンジンのトルク変化に対しての車体の応答をスポイルしている感じは否めません。
レーンチェンジするために舵を入れてみると、初期はリアが全然動かずフロントだけ回りこむというRR特有の旋回中心が後ろにある動きをして違和感を感じます。ヨー応答も高いとはいえず、TOYOTA Supra(JZA80)に近い位の動きです。とにかく、この妙な動きに完全に違和感を覚えてしまったので、これは私の好みとは違うと言う意味であまり良い車と思えませんでした。
乗り心地はそこそこ良くて、音も静かといっていいレベル。スポーツカーというよりも乗用車的な味がしました。ベンツとかのお客が結構買っていくというのも頷けます。
ボディの剛性やブレーキのしっかりしたフィーリング、ガッチリ減速するところはさすがにポルシェなのだと思いましたが、エンジンはもっさりしてるし、ステアリングフィールとRRの違和感で完全に帳消しどころかマイナスです。この程度だったとは、かなりがっかりしました。
2000/08/01(火)