Impression

ホンダ車 試乗記

HONDA Civic Si

 北米向, LHD, 6MTを試乗。いきなりだが操舵感は良くない。EPSっぽくないけど、EPSの良さも無い。据え切りの追従性は良すぎるくらい良いが、ピニオンアシストにしては音がうるさい。音を犠牲にしても追従させているのは、車のキャラクターとしては納得できる。

 ステアリング直進付近にトルクの谷がある。切り始めは、谷から出るまでバネっぽくステアリングセンターに落ち込もうとする。谷の間は操舵角が付いていても車両の応答はほとんど無く、谷から出るために必要なトルクも大きすぎる。戻しからステアリング中立を通って切り込むときにも、一旦谷に落ち込まなくてはならないのでつながりが悪い。低速で特にその傾向が強いが70mph程度でもつながりの悪さはしっかり残っている。また、戻りが強すぎる。切り込んでいくときと保舵はアシストがかなり効いていて軽い(前述の「谷」から出ると急になだらかになった感じ)のだが、戻りがかなり速く、戻し力も強すぎる。そのため、スムーズにワインディングを走ろうとしても、トルクがスムーズにつながらないため疲れるし、楽しくない。

 内装というか、メーター表示の色使いとか構成とかがおもちゃっぽい。外見はヨーロッパ仕様よりは普通だけど、シビックと言うよりCR-Xという感じ。シビックのターゲットは完全にカローラとかとは変わったと感じる。動力性能はほとんど評価しなかったのだけど、アクセルオフから1秒位エンジンブレーキがかからず、その後急激にエンブレがかかるような制御になっていて、サーキット走行などでは邪魔な感じ。燃費も悪くなりそう?

2006/05/01(月)


HONDA Legend

 SH-AWD、レーンキープなどフル装備状態の車両。走り出すと結構うるさい車。高級車として売っているにしては、足回りからの透過音がする。ステアリングフィールはいわゆるEPSフィーリングで、はっきりしない感じ。摩擦感が大きく、粘性感まで行かない程度のもっさりした感じ。SH-AWDは何かやっているという感覚が出てきてしまっている。舵を当てながら強めに加速したときに巻き込む感じで旋回していくのだが、そのときに手応えの変化は無くて不思議な感覚。エンジンのパワーはそこそこある。

 内装はインパネのシボが細かくて表皮が堅い。下し金のような感じ。木目の部分は良い質感。ステアリングホイールについているスイッチがすごい数で、何がなんだかよくわからないくらい煩雑な感じ。サイドウインドウ外側のモールに溝があって、そこに木の枝等がたまってしまうのはかなりよろしくないと思う。

 全体的にそれほど良い車とは思えなかった。

2005/11/01(火)


Honda ACCORDwagon

 車がやわい。リアが踏ん張らないで砕け気味。前と後ろが微妙な位相差をもって動くのでどっしりはしない。後ろが巻き込み気味。EURO Rはきちんと踏ん張っていたのに。EPSはギアの精度が低くて、プレロードの変動が結構大きい。据え切りでボールネジの音が車内に響く。低速でも、交差点を曲がるときなどは聞こえる。アシストが少なくて重ったるくして、どっしり感を出そうとしているが、車自体がどっしりしていないので良くない。60km/h程度で軽く左右に振ると、EPSの補償制御に車自体の共振とが相まって妙な手応え。60km/h位は車の共振はしにくいので、EPSの制御によるものだと判断できる。これはEURO Rも一緒。

 アクセルも硬めでスムーズではなく、ブレーキは初期制動が効きすぎ。革シート仕様であったが、革が薄っぺらすぎて中のあんことの一体感も無い。シート、足が硬めなのだが、ボディが弱い感触。木目調パネルは結構頑張っていて、許容レベル。内装の質感はそこそこ。EURO Rのときは値段の割に安っぽく感じたのだが。

2003/06/01(日)


Honda S2000 TypeV

 ステアリングが可変ギア比(VGS)となっていて、低速でクイック(小さい操舵角で大きく切れる)、高速ほどスローになって安定するという代物。走り出して最初の交差点で、VGSであることを意識して操舵したのだが、それでも思った以上にかなり小回りしてしまう。自分が舵角を与えるよりも早く操舵しているような(位相が進んでいるような)感触で、ちょっと慣れ辛い感じがした。といっても、慣れることは慣れる。電動パワーステアリングのチューニングも今ひとつなので、ステアリングフィールは違和感がでている。

 高速はエンジン回転数が高いのと、幌が薄いのか無茶苦茶うるさい車。100km/h巡航でも大声でないと助手席との会話が出来ない。エンジンを回したときの音質が良くなくて、回したくなくなる。また、9000rpmまで回るのだけどトルクが薄い。低速は輪をかけてトルクが無い。単に回ると言うだけのエンジン。

 全体の雰囲気も安っぽくて、350万以上もする車には思えないところも残念。デジタルメーターの子供っぽさが完全にいただけない。幌の開閉はかなり速いので、これは良い。

2001/05/15(火)


HONDA NSX(NA1)

 広報車で一般道、ワインディング、高速道路を1000km近く走ってみた。

 エンジンはB16AのVTECほどカムの切り替わり前後の特性変化は激しくなく、扱いやすい特性となっている。アクセルレスポンスも過敏にしすぎるようなことはせず、踏んだだけトルクが出てくるのがよい。トラクションコントロールは応答が遅すぎで、カウンターステアを当ててドリフト姿勢が安定した後でトラクションコントロールが効き、急激にトルクが絞られてものすごい失速感とともにリアのグリップが回復したため危うくスピンしそうになった。その後、トラクションコントロールは即座に切ったのは言うまでもない。

 操安については加速アンダーが少し出るが、高速コーナーのリアグリップも高くて安定志向のセッティング。少しアンダーよりのセッティングで、ミッドシップの回頭性の高いヒラヒラ感を楽しむというより、高い旋回性能を活かしてきっちり走ると楽しくなってくる車といえる。限界付近ではリアの重心が高い感じで左右の接地荷重変化があり、若干挙動が速く出やすくなっている。

 クルーズコントロールは設定しやすく、設定車速への追従性もよいので使いやすい。革シートは広報車で扱いが雑だったためか、サイド部分がかなり擦れてしまっていたが、体を柔らかくホールドしてくれるために座り心地はなかなか良い。後部のトランクの分だけボディが余分に長い印象なのだが、トランクがない車は当然使い辛いので痛し痒しかと。


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