Impression

BMW 試乗記

BMW 328i Sport(F30)

 走り出しからフラット感が高く、余計な動きが少ない。が、路面の動きに対して横揺れ(ロールではなく横方向にずれる動き)を発生するところがあり、それが出ると進路も乱されるのでライントレースするためには修正舵が必要になる。

 comfortだとNからの切り出しが非線形だが、sportに切り替えると操舵反力と車の動きが合ってスムーズにヨーが立ち上がる。すばやい切り返しでロールダンピングが少ないと感じるが、sportにしておけばロールもおさえ込まれている。これは、EPSの操舵反力コントロールでやっているのではないか?

 あおり路面でも路面から浮かないようにうまくボディコントロールされていて、制御サスなのではないかと思わせる仕上がり。圧側が柔らかく、伸びで抑えるのでそのような動きになっている。

 ステアリングフィールはBMWらしくない、というのは、従来の摩擦成分が少なくなっていて、保舵したときに若干安心感が少ない(従来と比べてという話)。comfortモードでは不自然なつながりで、100kphでも切り始めてからのヨーの立ち上がりが遅れ、その後は速いという不連続な感じがする。sportなら手ごたえと共にヨーが出てくるので大丈夫。comfortモードの存在意義が少し不明。

  内装は良くも悪くもBMW。リアシートも天井は低いが十分座れる広さ。内装色がベージュだったが、なんだか安っぽく感じたのがちょっと残念。

2012/10/23


BMW 116i

  右ハン日本仕様でODO 3000km程度の車両。据え切り重い。BMWらしく摩擦っぽいが、BMWらしくなくすっきりしなくてグニャっとしたフィーリング。

 サスは秀逸。大きい(速い)入力でちょっと減衰が足りない所も出るが、全体的には当たりは柔らかいがステアの応答も良くて、バランスが非常に良い。車体が結構重い感じを受けるが、実際にも1400kg以上と重い車。

 直進からの切込みで本当の初期だけは若干遅れるが、その後はしっかり旋回していく。遅れてはいてもジワリとヨーが出るので雰囲気は良い。

 内装もBMWテイストでよい。シートもサポート良く、座面がしっかり包み込んでくれる。着座位置が結構低い。

 ドライバビリティが良くて、思っていたよりもパワフル。気持ちよく加速できる。

 荒れたワインディングに持ってきてみると、大きい入力が入ると破綻している。ステアリングも変な時(切込みが妙に軽い)があった。良路ではかなり乗り心地がよく、その割りに操安もよかったので残念。良路スペシャルなセッティングだけど、116iなので割り切りとしてはいいのかも知れない。

2012/08/10


BMW X5 diesel

 275/40R20と315/35R20という、極太タイヤを履いている。ロールはかなり小さい(スポーツモード)。VGRS付きのステアリングは、低速でかなりクイックになっていて若干違和感がある。車高が高いが足が固められていて、ダンピングもしっかりしているので、転がりそうな不安は感じない。

 エンジンパワーは物足りない。アクセルを開けていっても加速力があまり増えない。車速の伸びも悪い。ディーゼルなので仕方ないか。

2008/07/10


BMW 335i(Active steer, 2 door Coupe)

 19インチの35タイヤはハイトが強烈に低く、限界挙動が速いのではないか?と予想させるが、実際は限界が高い上に流れた後の挙動が穏やか。車の基本的なバランスが良いので限界挙動も扱いやすい。パワーがE550ほどはないため、パワーで流していくことはしにくいがその必要は無い。

 高速では、ステアリングゲインが高くて車が動きすぎる。BMWのActive steerはベースがクイックになっていて、車速があがってくると制御でステアリングギア比をスローに持ってくるのだが、応答が不足してしまっているのではないか?と思わせる。シャシー性能の高さと、摩擦がたっぷり乗っているステアリング系のおかげで車が安定しているので成立している感覚。

 ドアを閉めると、シートベルトがにゅーっと伸びてくるのだけど、動きが遅いのと、タイミングが遅いので使い辛い。伸びてこないと、ドアの後端が結構後ろにあるので届き辛そう。ベルトをシートに内蔵してあればいいと思う。ショルダーサポートが張っているシートはサポートが良さそうだが、肩の部分は結構柔らかいので、高Gでは思っていたほど役には立たないと感じた。

2008/06/01


BMW 530i

 カナダで試乗したため、路面が雪+気温-20℃以下という条件。路面がスムーズなところではBMWらしい安定した走りを見せる。80km/h舵角20deg程度のコーナーでは、姿勢を決めるとそのままで走っていく状態で落ち着くため、そこからの微修正が行いやすい。実際保舵力も小さくなり、そこにステアリングセンターが来たかのような感触となる。
 しかし、路面が荒れてくるとかなり不安定な挙動を見せる上、修正舵も当てにくく一気に評価が下がってしまう。履いていたタイヤ(Continental Sports Cotact M+S)のグリップが比較車に比べて低いため低μ路面での運動性能が低く感じられた点もある。が、VSC(BMW的にはVDC?)の効き方は上質で効き方自体も自然。
 室内空間はクラウン(ZERO CROWN)と比べて前後方向の長さが短くて狭く感じられるのだが、インパネの圧迫感がそう感じさせているだけの様子。質感はまあまあだが、iDriveの操作は直感的でなくて非常に使いづらい。iDriveを使ってシートヒータの温度分布(シートバック〜座面の間での配分割合)を設定可能なのには驚いた。でも、iDriveは操作手順が煩雑で使いこなすには時間がかかると思った。

2004/01/01(木)


BMW M5

 ステアリングシステムはラック&ピニオンではなく、味を出すために最近では珍しくリサーキュレーティングボール式。ステアリングセンター付近が曖昧で正確性に欠けますが、高速ではシャシーが良いので直進安定性はすばらしく、200km/hオーバーでもバシッと走っていきます。舵を入れていくと反力がぐっと立ち上がって来て、軽快感は無いが安心感のあるフィーリングと言えます。
 エンジンは結構パワーが出ていて応答も良い感じ、MTのシフトフィーリングはかっちりしているわけではないですが、操作力、ストロークともに適度で操作性は良いです。乗り心地は車重のおかげで突き上げ感は少なく、サスはキチンを路面を捉えている感触を伝えてきます。
 普通の530iと乗り比べましたが、想像よりは極端な味付けにはなっていません。スポーツカーとは見れませんが、高速ツアラーとしては良い車なのではないでしょうか。値段を考えると、530iでも充分だと思いますけど。

2002/09/01(日)


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